· FabLab Westharima Team · ドキュメント · 9 min read
AIに正しく伝わる!見出しと箇条書きの使い方
ChatGPTやClaude等のAIツールに指示を伝える際の基本テクニック。見出しと箇条書きを使って、AIが理解しやすい依頼書を書く方法を解説。
AIに正しく伝わる!見出しと箇条書きの使い方
はじめに:なぜ書き方が重要なのか?
ChatGPTやClaude等のAIツールに指示を出す際、「何を伝えるか」と同じくらい**「どう伝えるか」**が重要です。
AIは構造化された情報を得意とします。見出しと箇条書きを使って整理することで:
- AIの理解精度が向上 - 文脈を正確に把握しやすくなる
- 効率的なやり取り - 意図が明確に伝わり、修正の手間が減る
- 再利用可能 - 一度作った指示書を他の場面でも活用できる
本記事では、AIに依頼する際の基本テクニックとして、見出しと箇条書きの使い方に絞って解説します。
見出しで文書を構造化する
なぜ見出しが重要なのか
AIは見出しをセクションの境界として認識します。見出しを使うことで、情報を整理して伝えられます。
見出しの基本ルール
Markdownでは # の数で見出しレベルを表現します:
# 大見出し(レベル1)
## 中見出し(レベル2)
### 小見出し(レベル3)重要なポイント:
- 階層を飛ばさない - H1 → H3 のようにレベルを飛ばさず、順番に使う
- 1文書に1つのH1 - 最上位の見出しは1つだけにする
- 具体的な見出し - 内容が分かる明確な見出しを付ける
良い例と悪い例
✅ 良い例:構造化された指示
# タスク:Webサイトの問い合わせフォーム作成
## 要件
- 名前、メールアドレス、本文の入力欄
- 送信ボタン
- 入力内容の検証機能
## 技術仕様
- React使用
- バリデーションライブラリ:React Hook Form
## 期限
10月末までに完成❌ 悪い例:構造化されていない指示
問い合わせフォームを作りたい。名前とメールと本文を入力できるようにして、送信ボタンも。Reactで作って、バリデーションも付けて。10月末まで。なぜ良い例が優れているか:
- AIが情報のまとまりを理解しやすい
- 必要な情報が漏れなく伝わる
- 後から見直しやすい
箇条書きでタスクを明確化する
箇条書きの基本
Markdownでは2種類の箇条書きが使えます:
順序なしリスト(- や * を使用)
- 項目1
- 項目2
- 項目3順序ありリスト(数字を使用)
1. 最初にやること
2. 次にやること
3. 最後にやること箇条書きの使い分け
- 順序なしリスト - 並列な項目、優先順位がない場合
- 順序ありリスト - 手順、優先順位がある場合
実践例:タスクを優先度別に整理
## 必須機能
1. ユーザー登録機能
2. ログイン機能
3. パスワードリセット機能
## あると良い機能
- プロフィール画像のアップロード
- 2段階認証
- ソーシャルログインネスト(入れ子)も活用できる
複雑なタスクは、箇条書きの中にさらに箇条書きを入れて整理できます:
## Phase 1:基本機能
1. データベース設計
- ユーザーテーブル作成
- 認証情報テーブル作成
2. API設計
- 登録API
- ログインAPI
## Phase 2:拡張機能
1. セキュリティ強化
- 暗号化実装
- セッション管理
2. UI改善
- レスポンシブデザイン対応
- エラーメッセージ表示AIへの依頼書テンプレート
実際にAIに依頼する際は、以下のテンプレートが使えます。
基本テンプレート
# 依頼内容:[具体的なタスク名]
## 背景・目的
なぜこの作業が必要なのか
## 現在の状況
- 既存の状態
- 利用可能なリソース
- 制約条件
## 求める成果物
- 具体的な成果物
- 品質基準
## 技術的要求
- 使用技術・言語
- パフォーマンス要件
## 期限
MM/DD まで実際の使用例
# 依頼内容:商品検索機能の実装
## 背景・目的
ECサイトで商品を探しやすくするため、検索機能が必要
## 現在の状況
- 既存:商品一覧ページはある
- 技術スタック:React + Node.js
- 対象ブラウザ:Chrome, Firefox, Safari
## 求める成果物
- キーワード検索
- カテゴリ絞り込み
- 価格範囲での絞り込み
- 検索結果のソート機能
## 技術的要求
- **必須**: React Hooks使用
- **必須**: レスポンス時間500ms以内
- **推奨**: TypeScript使用
## 期限
10月25日までコピペ用:シンプルテンプレート
すぐに使えるテンプレートをいくつか用意しました。
タスク依頼用
# タスク:[タスク名]
## やりたいこと
[簡潔な説明]
## 必要な機能
- 機能1
- 機能2
- 機能3
## 制約・条件
- 条件1
- 条件2
## 期限
MM/DDバグ修正依頼用
# バグ修正:[問題の概要]
## 問題の内容
[何が起きているか]
## 再現手順
1. 手順1
2. 手順2
3. エラー発生
## 期待する動作
[本来どうあるべきか]
## 環境
- OS:
- ブラウザ:
- バージョン:よくある失敗と改善方法
❌ 失敗例1:あいまいな指示
このコードをきれいにしてください✅ 改善例1:具体的な指示
## コードリファクタリング依頼
### 改善したい点
- 関数を小さく分割
- 変数名を分かりやすく変更
- 重複コードを削除
- エラーハンドリング追加❌ 失敗例2:情報不足
エラーが出ます。直してください✅ 改善例2:必要な情報を含む
## エラー修正依頼
### エラー内容
TypeError: Cannot read property 'name' of null
### 発生条件
- ログアウト状態でプロフィールページにアクセス
- 100%再現可能
### 環境
- ブラウザ: Chrome 118
- Node.js: v18.17.0まとめ:すぐ実践できる3つのポイント
- 見出しで構造化 - H1, H2, H3を使って情報を階層的に整理
- 箇条書きで明確化 - タスクや要件を箇条書きでリスト化
- テンプレートを活用 - 基本テンプレートをベースに自分用にカスタマイズ
これらのテクニックを使うだけで、AIとのコミュニケーション効率が劇的に向上します。
まずは基本テンプレートを使って、実際にAIに指示を出してみましょう。慣れてきたら、自分の業務に合わせてテンプレートをカスタマイズしていくと、さらに効果的です。
より詳しく学びたい方へ:
- Markdown チートシート(基礎編) - Markdownの基本記法
- Markdown チートシート(応用編) - 表やコードブロックなどの高度な使い方
AI技術の進歩とともに、効果的な指示の出し方も進化していきます。このガイドも継続的にアップデートしていく予定です。
最終更新: 2025年10月16日

