研究開発

CNC Machining共同製作 with KDU

2023年4月〜2024年3月
CNC Machining共同製作 with KDU

CNC Machining 共同製作 with KDU

2023年度、神戸芸術工科大学(KDU)の学生・教員とCNC Machining (Digico-MILL48) Version 6 の共同製作を行いました。精度・仕上がりも素晴らしく、思い入れのある一台が完成しました!

CNC KDU

1. 研究または活動の目的

1-1) テーマ

  • FabLabとの連携による神戸芸術工科大学型デジタルファブリケーション環境の構築

1-2) 研究または活動の目的(概要)

本研究は、Fablabと協働し、デジタルファブリケーション(DF)機器の開発を通じて神戸芸術工科大学型のDF教育環境を構築し発信することを目的としています。近年、DF技術が進展し、各大学での導入が進む中、低価格機器の一律導入による問題点も指摘されています。この研究では、高い精度と信頼性を備えた長期運用が可能な教育用CNC機器の開発を行い、地域の資源や人材とも連携することで、独自のデザイン教育モデルを創出し、他大学との差別化を図ることが目標です。

1-3) 本研究または活動計画に至った背景

近年、美術系大学においてデジタルファブリケーション(DF)技術の導入が増えています。DF機器の進歩と低価格化が進む中、多くの教育機関ではコスト効率の良い海外製の低価格DF機器が採用されがちです。これにより、教育効果において時に課題も見られます。一方、国内のFablab西播磨では、海外製の機器を上回る性能を持つ低価格のCNC機器を開発しています。このことから、神戸芸術工科大学ではDF機器の導入について根本から見直し、自らが機器を設計・製造することで、独自のデザインと教育モデルを実現しようとしています。

このプロジェクトでは、Fablab西播磨代表の竹田一成を迎え、教員や学生が共同でCNC機器の開発を進めることにより、実践的なDF機器環境の構築を目指しています。この取り組みを通じて、神戸芸術工科大学は国際的にも連携し、先進的なDF教育モデルを確立し、その成果を広く発信することを目指しています。

2. 参加者(順不同)

神戸芸術工科大学

  • 見明 暢 先生
  • 蛭田 直 先生
  • 田頭 章徳 先生
  • 金箱 淳一 先生
  • 畑 友洋 先生
  • 福井 月子 実習助手
  • 藤井 咲月 実習助手
  • 泉 機械管理スタッフ
  • 学生有志

ファブラボ西播磨(外部講師)

  • 竹田 一成
  • 竹田 弘江

3. 開発者

竹田 一成

  • 役割: 総合プロデュース・機械・電気・制御の設計及び製作
  • バックグラウンド: 機械工学エンジニア(メカエンジニア)
  • 前職:
  • 現職: Digico, LLC CEO, 兼 FabLab 西播磨創設者

4. マシンスペック

Machine specDescription
加工可能材料木材, 加工可能な材料 (アクリル, ポリカーボネート, PVC, etc), アルミニウム
ワークエリア約 1300 mm(w) x 2500 mm (L) x 150 mm (H)
Feed rate1-3000 mm/min
Spindle speedmax 18000 r/min
制御ボードHICON Integra mill
制御SoftwareMach4
設計softwareFusion360 (CAD) for デザイン

CNC KDU Miake

5. パーツ購入先

TitleWhere to purchase
機構部品MISUMI
機構(オリジナルパーツ)Proto design, MISUMI Meivy, 神戸芸術工科大学, 合同会社デジコ
機構(リニアガイド & ボールネジ)THK・MISUMI・オザック精工
電気・制御部品AliExpress, VITAL system, HICON, GECKODRIVE

6. プロジェクト期間

2023年4月〜2024年3月

7. 製作過程 for Digico-MILL48 Version6

  • フレーム溶接(半自動溶接・TIG)
  • フレーム塗装
  • フレーム組み立て
  • 部品組立
  • リニアレールとボールネジの取り付け
  • ガントリーの取り付け
  • Z軸取り付け
  • 配電盤作成
  • 配線接続
  • マシン組立仕上げ
  • 制御ソフトウェア設定
  • 試運転・精度確認
  • 本運転

CNC KDU Hiruta

8. 成果

2024年3月

学生・教員の皆さんの汗と様々な記憶の詰まった大型CNCマシニング1台が完成しました。今後、このCNCマシニングを活用したさまざまなデザインや作品が生まれることを期待しています。

2025年2月

大型CNCの運用が始まってから約1年経過しました。状況を伺ったところ、エンドミルをまだ1本も折ることなく、毎日稼働とのこと。多数の生徒が利用する環境で、一度も事故がないとのはすごい。安全講習やトレーニング中の注意(ツールパス製作・機械操作・原点設定など)をしっかり学生にも指導されておられる賜物であり、非常に嬉しく思います。

2025年2月 / カオス2025

神戸芸術工科大学(KDU)卒展「カオス2025」で共同製作した大型CNCMachiningで作られた作品が展示されました!

「ビルド&ゴー」

  • 製作者: 園満彩乃 Ayano Enma
  • 概要: 子供の自発性を育てるプロダクト / 日本の住環境や現代生活に沿った工作キット
  • 園満さんはCNC共同製作プロジェクトの参加者でもあり、「作ったもので作るを実践」

Build and Go

「Fit the Chair」

  • 製作者: 岡本佑希 Yuuki Okamoto
  • 概要: 子供の手に優しい工具のみで組み立てることができる学習椅子

Fit the Chair