レーザー加工機 安全ガイド
安全に使うための基本
保護メガネの着用
⚠️ レーザー使用時は必ず保護メガネを着用
- レーザー光が直接目に入ると、重大な視力障害や失明につながる
- 使用するレーザー加工機の波長に対応した保護メガネを着用
- 加工中は直接レーザー光を見ない
- 蓋を開けた状態でのレーザー操作は禁止
換気の徹底
⚠️ 加工中は必ず換気を行う
- レーザー加工時には有害なガスや煙が発生。必ず換気扇を稼働
- 排気ダクトが正常に機能していることを使用前に確認
- 加工終了後も排気ファンを動作させ、煙が完全に排気されるまで待つ
火災防止
⚠️ 加工中は絶対に機械から離れない
- 加工素材が予期しない方法で燃焼することがある
- スマートフォンを見たり、他の作業をしたりは禁止
- 加工中は機械の前に立ち、常に加工状況を監視
- 異常を察知したら速やかにSTOPボタンを押す
発火の危険や異常(例)
- いつもと違う動き・異変
- 通常より大きな煙
- 異常な音
- 火花や炎が見える
- 強烈な焦げた臭い
⚠️ 消火器を常備
- 加工スペースには必ず消火器を配置
- 火が出た場合、レーザーを停止させても燃焼は続く
加工禁止素材
| 素材 | 理由 | 機械への危険性 | 人体への危険性 |
|---|---|---|---|
| 塩化ビニル(PVC) | 塩化水素ガスが発生 | 有毒ガス、腐食 | 呼吸器障害、目の損傷 |
| ポリカーボネート | 高温で燃焼 | 火災、機械損傷 | 火傷、有毒ガス吸引 |
| FRP | 高温で分解、燃焼 | 火災、有毒ガス | 火傷、有毒ガス吸引 |
| 透明な硬いプラスチック全般 | PVCの可能性 | 有毒ガス発生 | 呼吸器障害、目の損傷 |
| 不明な素材 | 成分不明 | 予測不可能な危険 | 予測不可能な健康被害 |
| 鏡面・メッキ加工 | レーザーが反射 | 機械損傷、火災 | 失明、火傷 |
| 極度に燃えやすい素材 | 即座に燃焼 | 火災 | 火傷、呼吸器障害 |
| フッ素系材料(PTFE) | 有毒ガス発生 | 有毒ガス | 呼吸器障害、中毒 |
⚠️ 素材が不明な透明プラスチック板は絶対に加工しない
加工後の安全
- 加工直後は素材が高温。素手で触らない
- 加工完了後、最低1〜2分待ってから素材を触る
- 加工終了後もしばらく排気ファンを動作させる
日常的なメンテナンス
レンズとミラーの清掃
- レンズやミラーにホコリや汚れがあると火災の原因に
- 定期的に専用クリーナーで清掃
⚠️ レンズには素手で触れない
- 指紋や皮脂で加工精度が悪化
- レンズには有毒な**ZnSe(セレン化亜鉛)**が含まれる
- 触れた場合はすぐに洗剤で手を洗う
加工前の毎回チェック
- 消火器の位置確認:手の届く場所にあるか
- 排気機能の動作確認:正常に排気されているか
- 加工床の清掃:前回の加工残骸が残っていないか
- 素材の確認:加工可能な素材か
- 周囲の安全確認:可燃物が近くにないか
- PC設定の確認:スクリーンセーバーを無効にしたか
⚠️ スクリーンセーバーが作動すると機械が停止する可能性あり
緊急時の対応
火災が発生した場合
- すぐに機械を停止:STOPボタンを押す
- 消火器で消火:小さな火であればすぐに消火
- 火が大きい場合は避難:119番通報して避難
- 換気を行う:火が消えた後、十分に換気
有毒ガスが発生した場合
- すぐに機械を停止
- 換気を最大にする
- その場から離れる
- 体調不良があれば医療機関へ
必ず守るべき5つのポイント
- 保護メガネを必ず着用する
- 加工中は必ず換気扇を稼働させる
- 加工中は絶対に機械から離れない
- 加工禁止素材(特にPVC)は絶対に使わない
- 消火器を常備し、緊急時の対応を把握しておく
